代表取締役 菅原淳一
千葉県生まれ。大学在学中に統合失調症を発症し二度の入院を経験する。その後、療養のかたわら様々な資格試験に挑戦し、また読書により種々の知見に触れ、起業計画やライター活動をつづける。
三年ほど前より、精神障害者を対象としたイベントを開催したいという漠然とした想いが私の中にありました。社会の中で労働資源として、精神障害者の能力がじゅうぶんに活用されていない。そんな思いもありました。
私自身、二十代のときに統合失調症を発症し、それ以来二十年あまりにわたりリハビリ生活を送ってまいりました。昨今の精神医療の技術をもって、かつて難病と言われた精神疾患も長期にわたって根気強く治療すれば、寛解への道はせまくなくなってきています。
ですが、治療とリハビリをつづけ寛解したその次は、その先どのような人生を築き、希望をもってより良い人生を送るよすがとするか。そのような問いに対しての解答ができる人は多くないように思います。
今回私が企画したコンテストに挑戦するのがこの問いに対する最適解だなどという気は毛頭ありません。私がかねてから思いあぐねていたように、精神障害者の能力開発にはある程度の競争原理の導入が必要ではないでしょうか。楽しみながら競争する。そんなコンセプトのもとに当コンテストは企画されました。
私は、精神障害者の方々のキャリア形成の間口を広げ、探究心のあくなき追求に供する機会を提供したいと思いました。我々には、もっと選択肢があっていいと思います。どうか皆様にとってのキャリアプランを考えるきっかけやモチベーションのひとつとされるもよし、単純に純粋に知を探する欲求や衝動を抑えられないが、そのような発表をする場がなかったという方にとって絶好の機会になることを願って止みません。
取締役 菅原麻子
千葉県生まれ。OLから舞台女優に転身。32歳目前で統合失調症を発症。女優業は引退したが、闘病しながら「マイナスをプラスに変えたい」と、アートセラピー・ヨガ・呼吸法・薬膳など、様々なことにチャレンジ。食いしん坊の明るい健康オタク。
精神障害者の雇用問題について思うことがあります。仕事に生きがいを持ち充実した生活を送っている精神障害者は数少ないのが現状です。安い賃金で単純作業や雑務等のみ与えられ、スキルアップも出来ない。能力や才能を持て余している精神障害者も多々おります。では、企業側に問題があるか?と考えると、そうとも言えない。どう扱ったら良いか?どう活かしてあげられるのか?わからずにいるように見えます。精神障害者には、難しい仕事や責任のある仕事は無理だと思っている方も多いと感じております。じゃあ、やっぱり企業側の問題じゃないのか?いえいえ、決してそうではありません。身体障害者や知的障害者は欠勤することがあまりないのに対し、精神障害者は当日の朝に欠勤する方や仕事が続かない方が結構いらっしゃるのが現実です。「責任のある仕事は任せられない」と思われても仕方ありません。自業自得じゃないかと思われますか?いえいえ、当事者の立場から言わせていただければ、決して怠けているわけではないですし欠勤したいわけでもないのです。思うように働けない自分に憤ったり責めてしまったりしてしまうのです。ところで誰が悪いのさ?わたくしは、誰も悪くないと考えます。誰かを責めたり、社会に対して不平不満を言うのも、違うのではないでしょうか。ただ言えることは「悪循環」であるということ。わたくしどもは、この悪循環を少しでも好循環に変えたいのです。
そんな想いから、自由研究コンテストを企画いたしました。何故?とお思いでしょう。まずは、わたくしどもが「ファーストペンギン」になることから始めたいのです。そして、精神障害者に、スポットライトを当てたいのです(ここでは、受賞者さま)スポットライトを浴びたことありますか?とても気持ちが良いのです。自信もつきます。モチベーションにもなるでしょう。そして一度浴びたら、またスポットライトを浴びるために努力したいと思うはずです。そして、さまざまな方面に「ファーストペンギン」として飛び出していってほしいのです。それを見た人たちは、自分もスポットライトを浴びたいという「憧れ」「夢」を抱き、後に続くことでしょう。ただ、スポットライトは麻薬でもあります。その気持ち良さに溺れて努力を怠り、挑むことを忘れてしまう「ファーストペンギン」には、スポットライトは向けられなくなります。だから、果敢に自分の可能性に対して挑み続けてほしいのです。わたくしどもは「自由研究コンテスト」を企画することで、悪循環を好循環に変える「ファーストペンギンたち」が誕生する。そう考えております。まずは「自由研究」を通して、人生の地図を描いてみませんか?わたくしたちの明るい未来を。それはまだ青写真かもしれませんが、色彩豊かな絵画になり得る。わたくしどもは、そう信じております。